楳茂都 梅咲 紋

九十歳超えても下手なまま
だから稽古が必要
踊りに終わりはないんです

出典:平成26年10月15日『朝日新聞 夕刊』 楳茂都梅咲 93歳の「丁寧な舞」より

その名の如き存在感、
美しく咲く

楳茂都梅咲、大正から令和までの長きにわたり、舞台を通して「楳茂都流」の歴史の一端を担い、伝承と発展を支え続けたその魅力とは……。京おどりの演出を半世紀以上手がけ、舞踊評論家であった故谷村陽介氏は、楳茂都梅咲の舞踊家としての資質をこう評している。「梅咲は流儀の特徴を良く活かし、古典舞踊にも非凡の才能を見せ、特に地唄舞では『雪』『珠取海女』など、吉村雄輝、山村楽正と並んで品位の高い舞を見せている。また、創作への意欲も深く『広重抒情』ほかの作品では、家元楳茂都陸平に学んだ創作振付の技倆を発揮して、楳茂都流の女流らしい作品系列を作り上げてきた。

梅咲のはナイーブな感覚を持った女心の表現と、その内奥にある心(魂)の表出といった点に、特に楳茂都らしい感性の豊かな美しさを見せ、主として女舞いでは、見事な日本舞踊美を発揮している。」 『楳茂都流と女流・楳茂都梅咲のこと』
舞踊評論家・演出家 谷村陽介 より